国立文楽劇場、8月の壁掛けカレンダーです。
夏祭浪花鏡(長町裏の段)
写真左より 団七九郎兵衞=桐竹勘十郎 三河屋義平次=吉田玉女
撮影=森口ミツル
夏休み特別公演 開催中 8月8日(月)まで。
国立文楽劇場HP
昨日が、能の今年最後の舞台撮影だった。
明日から二日間の『初春文楽公演』の舞台稽古で、今年の撮影が全て終了する。
カレンダーも平成23年用に新しく変わる分けだが、
そのカレンダーで、一番可愛そうなのが表紙である。
カレンダーを吊す場所が決まっているので、どうしても12月が終わらないと交換という訳にはいかない。
早くてもせいぜい大晦日で、新しい年のカレンダーの表紙は一日も眺めることなく早々と1月に変えられてしまう。そんな訳で、印象に残りにくい。
撮影者としては、どの月にも思い入れがある写真だけに、表紙が可愛そうで不憫で仕方がないのである。
とは言っても、自宅も事務所にも余分にカレンダーを吊しておくスペースはやっぱり無い。
今年も、大晦日に数時間だけしか見てあげられない、可愛そうなカレンダーの表紙なのである(^^;)
国立文楽劇場 平成23年カレンダー表紙
妹背山女庭訓(妹山背山の段) 撮影=森口ミツル
大槻能楽堂 平成23年能楽美術カレンダー表紙
仲光(愁傷之舞) 撮影=森口ミツル
10月30日から始まっている「錦秋文楽公演」。
今日は、公演の記録日である。
一部と二部を通して撮影するので、スタンバイ時間も入れると11時間近くになる。
一日中座っての仕事だが、ファインダーに集中する時間が長いので、疲れ方は半端ではない。
食事も30分休憩の間に食べてしまう。それも小さなブルーのLEDライトの灯りと、客席から漏れてくる光の下でだ。
もう何十年にもなるので、それがひとつのリズムになっていて、結構美味しく食べている。
おかずも毎回決まっていて、卵焼きとかまぼことシャウエッセン。
ご飯は小さなおにぎりにしてあり、おにぎりの数だけ、おかずの数も合わせている。
毎回同じ食事にしているのは、長時間の撮影なので、体調を崩さないためでもある。
最初の頃は色々と大食いをして、お腹の調子が悪くなり苦い思いをしたことがあった。
今日も、第一部と第二部の弁当が、それぞれの休憩時間を待ってスタンバイしている。
楽屋の朝、元気な子供たちの声が聞こえてきた。『おはようございま〜〜す』。
先生に引率された小学生が、文楽のバックステージ見学にやって来たのだ。午前の部が始まる三十数分前のことである。
前回の文楽の舞台撮影の時も、ブログに『小さな観劇者』で投稿した様に小学生の姿を見かけた。
きょうは、出演の人形と小道具の撮影だったので、私もバックステージに居たのだ。文楽のバックステージには、毎日のように多くの人が見学に来られるが、小学生の姿を見たのは初めてだった。『文楽鑑賞教室』開催ということもあるのだが、私が撮影している時に出会ったことはなかった。
舞台裏で、人形遣いの吉田簑二郎さんから解説を受けていた。
帰り際、小学生の男の子が、人形をしげしげと見てつぶやいた。
『夜、暗いところで見たら怖いやろナ〜』
怖くないよ
新型のインフルエンザが猛威をふるっていたのが、ちょうど文楽鑑賞教室が上演されている一年前だった。
文楽鑑賞教室は、学校単位で会場を貸切りの時がある。
その学校が、新型のインフルエンザで学校閉鎖となり、昨年の文楽鑑賞教室の公演が一日休演したことがある。
国立文楽劇場が開場してから、公演を休演したのは、私が覚えている限り確か二回だったと記憶する。(間違っているおそれあり)
一度目は、昭和天皇崩御の時、そして昨年の新型のインフルエンザの時の休演だったと思う。
今年も文楽鑑賞教室の季節がやって来たが、新型のインフルエンザは幸い息を潜めている。
きょうの文楽鑑賞教室の午前の部は女子高校が殆どだったが、昨年の様なマスク姿は見かけることはなかった。
午後の部も、大学や高校の数校と一般客で場内は満杯だった。
文楽鑑賞教室は、6月17日まで国立文楽劇場で上演されている。
午前の部の開演を待つ 8日午前10時20分、国立文楽劇場で iPhone
6月の文楽公演は「文楽鑑賞教室」。明日、2日(水)が初日。
きょうが、その舞台稽古だった。
出し物は「団子売」と、「文楽へようこそ」の解説を挟んで「ひらかな盛衰記」が上演される。
出し物が同じ演目で、午前の部と午後の部がある。出演者もそれぞれ変わる。
きょうの舞台稽古は、「団子売」を午前の部と午後の部と続けて行い。
「ひらかな盛衰記」も同様に二回行ったので、いつもの舞台稽古より徳をした気分で、おおいに堪能した。
文楽をはじめて観劇する人には、解説もあって分かりやすい公演である。
17日まで。詳しくは国立文楽劇場まで。
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