能舞台(4日午後1時21分、大槻能楽堂で)
新春能の二日目が大槻能楽堂(大阪市中央区)で開催された。 本日も、おめでたい『翁』からの上演だ。 この『翁』は儀式でもあり、その荘厳さは観客席で観ているだけで身が引き締まる思いがする。 橋掛かりから出た出演者が整列して、翁が客席に礼をするまでは客席の出入りが禁止となり、緊張感が高まる瞬間でもある。 文楽でも『仮名手本忠臣蔵』の四段目「塩谷判官切腹の段」で、切腹の場面はやはり同じように客席の出入りが禁止される「通さん場」がある。 そんな緊張感の中で最初に舞うのが、千歳による露払いの舞である。 本日の千歳は、昨年11月「大槻文藏の会」の能『烏帽子折』でも牛若丸の大役を果たした子方の赤松裕一くん。 小学校5年生で、私の観た最も年少の千歳である。 とうとうたらりたらりら、たらりあがりらゝりとう ちりやたらりたらり、たらりあがりらゝりとう と神歌が始まる。 絶えずとうたり、常にとうたり 赤松裕一くんの千歳が舞う。大きく力強い舞である。 千秋萬歳の、喜びの舞なれば、一舞舞はう萬歳楽 萬歳楽 萬歳楽 萬歳楽
本日の出演は、『翁』大槻文藏 千歳/赤松裕一 三番叟/野村萬斎 狂言『文蔵』野村万作 石田幸雄 能『草子洗小町』山本順之 (敬称略)
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