平成21年1月から始まった、哲学者・梅原猛『能を観る』シリーズが前回の3月27日で、計15回が終了した。
本日は当初予定されていなかったが、完結記念能として梅原猛書き下ろしの新作能『河勝』が上演された。
物語は平成の現在で、怨霊を尋ねるのが趣味という風変わりな男が秦河勝に興味を持って、河勝が祀られている赤穂の大避神社へ詣でる。風変わりな男が舞台に登場すると、新幹線に乗って相生に着いたと語り始める。その怨霊を尋ねる風変わりな男のモデルは、原作者自身である。
”彼の河勝を祀つた大避神社を訪ねたく思ひ立つてござる
さらばこれより新幹線に乗り 赤穂へ赴かばやと思い候”
シテは前・秦河勝の化身、後・秦河勝の怨霊を大槻文藏(監修・作曲も)。別シテ・聖徳太子の霊を梅若玄祥。そして、間・怨霊を尋ねる人(原作者のモデル)を茂山千之丞が演じた。初演は平成20年の大阪薪能で、大槻能楽堂では今回が初めての上演となる。(敬称略)
新作能『河勝』作・梅原猛
写真右より、シテ 秦河勝の怨霊/大槻文藏
別シテ 聖徳太子の霊/梅若玄祥
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