10月30日から始まっている「錦秋文楽公演」。
今日は、公演の記録日である。
一部と二部を通して撮影するので、スタンバイ時間も入れると11時間近くになる。
一日中座っての仕事だが、ファインダーに集中する時間が長いので、疲れ方は半端ではない。
食事も30分休憩の間に食べてしまう。それも小さなブルーのLEDライトの灯りと、客席から漏れてくる光の下でだ。
もう何十年にもなるので、それがひとつのリズムになっていて、結構美味しく食べている。
おかずも毎回決まっていて、卵焼きとかまぼことシャウエッセン。
ご飯は小さなおにぎりにしてあり、おにぎりの数だけ、おかずの数も合わせている。
毎回同じ食事にしているのは、長時間の撮影なので、体調を崩さないためでもある。
最初の頃は色々と大食いをして、お腹の調子が悪くなり苦い思いをしたことがあった。
今日も、第一部と第二部の弁当が、それぞれの休憩時間を待ってスタンバイしている。
『もしもし、コラ!やめなさい!』何て、事務所に居ながら話しかける。
Macの「FaceTime for Mac」である。
これまで、自宅に居る愛犬COCOを監視しするために色々とやってきた。(特に病気の時)
携帯のTV電話を使用しての遠隔操作や、PCでの「Air Cam」、「USTREAM」でのプライベート放送など。
その時々において出来ることをやってきた。
今回、Macに登場したアプリは、Mac同士やMacとiPhone4やiPod toushとの間でビデオ通話が出来るのだ。
電話をかける様に連絡リストからメールアドレスをクリックで通話が始まる。
一日中かけっぱなしでも勿論、電話料金など発生はしない。
毎朝の始まりは、自宅の「FaceTime for Mac」を呼び出すことからである。
「LogMeln」のアプリで自宅のPCの呼び出しを受けたり、カメラの切り替えも出来る。
COCOがカメラに向かって吠えている。
ひとりぽっちの寂しさも、少しは紛れるだろう。
新世界
パナソニックのLUMIX GH2にLaicaのELMARIT 28mm f2.8を付けてスナップ。
大阪・新世界を散歩。
フィルムモードはB&Wのスタンダードに設定して、モノクロームで撮影してみた。
地下鉄の「動物園前駅」から新世界の入り口に「ジャンジャン横町」がある。
横町のアーケード街には、食べ物屋が立ち並ぶ。
戦後、日雇い作業員が安堵の場所として、食べ物も安く、物も安い「ジャンジャン横町」が誕生した。
林芙美子の小説『めし』は「ジャンジャン横町」が出てくる、浪花の庶民情緒を描いた代表作のひとつでもある。
そんな、昭和の懐かしい面影が今でも残っている新世界を散歩してみた。
3日、ジャンジャン横町で
LUMIX GH2+ELMARIT 28mm f2.8
楽屋の朝、元気な子供たちの声が聞こえてきた。『おはようございま〜〜す』。
先生に引率された小学生が、文楽のバックステージ見学にやって来たのだ。午前の部が始まる三十数分前のことである。
前回の文楽の舞台撮影の時も、ブログに『小さな観劇者』で投稿した様に小学生の姿を見かけた。
きょうは、出演の人形と小道具の撮影だったので、私もバックステージに居たのだ。文楽のバックステージには、毎日のように多くの人が見学に来られるが、小学生の姿を見たのは初めてだった。『文楽鑑賞教室』開催ということもあるのだが、私が撮影している時に出会ったことはなかった。
舞台裏で、人形遣いの吉田簑二郎さんから解説を受けていた。
帰り際、小学生の男の子が、人形をしげしげと見てつぶやいた。
『夜、暗いところで見たら怖いやろナ〜』
怖くないよ
今朝、荷物が届いた。送り主は、札幌に住む従姉からである。
中身は、銀座文明堂の『森幸四郎のかすてら』だった。
カステラはさほど珍しくはないのだが、『森幸四郎』の名前に驚かされたのだ。
他界した親父の名前が『森口甲子郎』と言う。全てが同じではないが、その名前の響きが親父を思い起こさせてくれた。
文明堂の『森幸四郎』さんは、手焼きカステラ道50年という職人さんで、食の人間国宝である農林水産大臣賞を平成6年に受賞されている。カステラは立派な桐箱に入れられており、蓋を開けると良い香りと共に、復元された幻の味「五三のカステラ」が姿を現した。
大槻能楽堂の自主公演能で、午後6時30分開演のナイトシアターが年間に数回開催される。仕事の帰りにでも立ち寄って観られることで、時間のとれない社会人にも人気がある。
昨夜は、今年初めてのナイトシアターであった。
夏至前で開演時間でも外はまだまだ明るく、ナイトシアターという雰囲気ではなかった。だが、一日の仕事を目一杯すませて観るので、何か時間を得した気分になれた。
昨夜の出し物は、大槻文藏先生のシテで『仲光 愁傷之舞』だった。
我が子を自らの手で殺め、主君の子供の身代わりとする仲光の男の哀れさを、面を付けない直面(ひためん)で演じた。
「愁傷之舞」で、橋懸りで見せた仲光の心情が、痛いほど伝わってきた。
ラストシーンで、泣き崩れて座り込む姿に涙したのは私だけだろうか。
『仲光』ラストシーン シテ/大槻文藏
11日、午後8時56分 大槻能楽堂で
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